Vol.32 1台で給気と排気。ヴェントサンTWINって何?
前回、トイレやシューズクローゼットのニオイを
外へ出す方法を考えました。
その中で紹介したのが、ヴェントサンTWINと、
PAXノルテなどの排気専用ファンです。
でも、TWINって、普通のヴェントサンと
何が違うのでしょうか。
名前のとおり、TWINは「双子」。
簡単に言うと、一台の中に、
小さなヴェントサンが二台入っています。
■一つの穴に、二つのファン
ヴェントサンJWやSPは、一台が給気しているとき、
別の一台が排気します。
二台でペアになり、約70秒ごとに、
給気と排気を反転します。
一方、TWINには一つのスリーブの中に、
二つのファンと二つの蓄熱エレメントが
入っています。
片方が給気しているときもう片方が排気します。
約70秒後には二つのファンが、
それぞれ役割を交代します。
給気と排気は反転しても、部屋全体で見ると、
いつも同じ量を入れて、同じ量を出しています。
一つの穴の中で、ヴェントサン二台分の
仕事をしているわけです。
めっちゃ働く双子です(笑)
■廊下から空気をもらわない
PAXノルテなどの排気専用ファンは、
室内の空気を外へ出します。
出した分と同じ量を、廊下などから、
入れなければなりません。
そのため、ドア下のアンダーカットや、
通気ガラリが必要です。
TWINは、屋外から給気しながら、
同じ部屋の空気を、直接屋外へ排気します。
給気と排気が、その部屋だけで完結します。
換気のために、廊下から空気をもらう
必要がありません。
トイレや脱衣室の空気を、廊下へ押し出しにくい。
これが、TWINが「個室用」と呼ばれる理由です。
もちろん、ドアを開ければ、空気は行き来します。
ニオイが絶対に漏れない、
という意味ではありません。
それでも、他の部屋と換気経路を分けやすいのが、
TWINの特徴です。
■しかも、熱を捨てにくい
一般的な排気ファンは、暖房や冷房をした空気を、
そのまま外へ出します。
外へ出した分だけ、外気が家の中へ入ります。
冬なら冷たい空気。
夏なら暑い空気です。
TWINは、排気する空気の熱をセラミックへためます。
そして次に入ってくる外気へ熱を戻します。
70%運転時の温度交換率は94%です。
これは一定条件での試験結果なので、
いつでも94%ではありません。
それでも、個室を換気しながら、
暖房や冷房の熱を、捨てにくくできます。
高断熱・高気密住宅では、大きなメリットです。
■TWINが合うのはどんな部屋?
TWINが特に合うのは、
海外のホテルや住宅で見る、
浴槽、洗面、トイレが一室にまとまった
バスルームです。
こうしたバスルームでは、ニオイだけでなく、
入浴による湿気も発生します。
でも、その空気を、廊下や他の部屋へ
流したくありません。
TWINなら、外から給気しながら、
同じ部屋の空気を直接外へ排気できます。
廊下を空気の通り道にせず、バスルームの中だけで、
換気を完結できます。
また、離れや、独立させたい個室など、
他の部屋と換気経路を
分けたい場所にも向いています。
■小さなトイレならPAX?
日本に多い、独立した小さなトイレでは、
使用した直後のニオイを、
短時間で出すことが優先されます。
PAXノルテは、人感や照明に反応すると、
毎時74㎥で排気します。
廊下から空気を入れる経路を確保できるなら、
PAXノルテなどの排気専用ファンの方が、
シンプルで合理的です。
一方、TWINが得意なのは、
個室の中で、給気と排気を完結させること。
そして、暖房や冷房の熱を、
できるだけ回収することです。
速くニオイを出すなら排気専用ファン。
熱を回収しながら、換気経路を分けるなら
TWINです。
どちらが上ではなく、得意な仕事が違います。
■完成後に追加できる?
TWINには、直径200㎜のスリーブが必要です。
対応壁厚は、270㎜以上です。
また、日本仕様には、防火仕様がありません。
建築する場所や、外壁の条件によっては、
採用できない場合があります。
完成してから、
やっぱり付けよう!
では難しいこともあります。
新築なら、部屋の配置を決めるときに、
TWINで個室換気するのか。
排気ファンと、アンダーカットを組み合わせるのか。
設計者と相談しておきましょう。
TWINは、トイレ専用の換気扇ではありません。
海外型のバスルームや特別に分けたい一室を、
熱交換しながら換気する設備。
そう考えると、使いどころが見えてきます。
換気扇を選ぶときは、
風量だけではなくその部屋の空気を、
どこから入れてどこへ出したいのか。
そこから考えてみてくださいね。
次回は、少しやさしい再解説として、
「換気量は、多ければ多いほどいいの?」
を考えてみたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
改正でした!