Vol.54 高断熱住宅は、夏に暑い?
先日、
ある工務店さんの
完成見学会を
お手伝いしていたとき、
来場されたお客様から
質問を受けました。
高断熱住宅って、
夏は暑くならないんですか?
どうやら、
家を建てる前に
工務店へ聞く質問リストに
入っているそうです。
しかも、
この質問に答えられないと、
ダメな工務店だと
思われてしまうとか……。
恐ろしやぁぁぁ。
もちろん、その場では
お答えしましたが、
たしかにこれは、
家を建てる前に知っておきたい
大切な質問です。
■断熱材は熱を断つ材料
断熱材の役割は、
熱の移動を遅くすることです。
冬は、室内の暖かさが
外へ逃げるのを減らす。
夏は、屋根や壁から
外の熱が入るのを減らす。
冷房した室内へ
外の熱が入ることも
抑えてくれます。
■保温・保冷ボトルと同じ
断熱された家は、
保温・保冷ボトルに似ています。
温かいコーヒーを入れれば、
温かさが長く続きます。
氷を入れた冷たい飲み物なら、
冷たさが長く続きます。
ボトル自体が、飲み物を温めたり
冷やしたりしているわけでは
ありません。
外との熱の移動を
遅くしているんです。
家も同じです。
冷房で涼しくした家は、
外の暑さの影響を
受けにくくなります。
一方で、室内へ熱を
たくさん入れてしまうと、
その熱も
外へ逃げにくくなります。
■暑さの原因は、入ってきた熱
お家が暑くなるのは、
窓から入る日差し。
屋根や壁から入る熱。
人や照明、家電が出す熱。
料理で発生する熱。
こうした熱が家の中へ入り、
外へ出せていない状態です。
特に影響が大きいのが、
窓から入る日差しです。
日差しはガラスを通り、
床や壁、家具を
直接暖めます。
屋根や壁を厚く断熱しても、
窓から日差しを
たくさん入れてしまえば、
室内は暑くなります。
■冬にうれしい窓が、夏は暑い?
冬の日差しは、
家を暖めてくれます。
暖房になるわけです。
ところが夏に、
その窓へ強い日差しが入れば、
家の中へ大量の熱が入ります。
夏は暖房いらない~!
南側は軒や庇で
夏の日差しを防ぎやすいのですが、
東や西の日差しは
低い角度から入るため、
軒だけでは
防ぎにくいことがあります。
窓の外側に日除けが必要です。
■入れない。そして外へ出す
夏に涼しい家をつくるには、
まず断熱で、
屋根や壁から入る熱を減らす。
日除けで、
窓から入る日差しを防ぐ。
それでも室内へ入った熱や、
人や家電が出した熱は、
エアコンなどで
外へ出します。
外の方が涼しい季節なら、
窓や換気を使って
熱を出すこともできます。
高断熱住宅でも、
冷房や熱を出す仕組みが
不要になるわけではありません。
ただし、一度涼しくすれば、
外から熱が入りにくいため、
その涼しさを
保ちやすくなります。
高断熱住宅が
夏に暑いのではない。熱を入れすぎて、
出す計画がなければ暑くなる。
ということですね。
工務店さんへ聞くなら、
「高断熱って夏は暑くなるのでは?」
みたいな質問も大事かもですが、
「夏の日差しを、
どうやって防ぎますか?」
「入った熱は、
どうやって外へ出しますか?」
その答えを聞いたうえで、
工務店さんの考え方に
共感できるか。
そこを大切にしてほしいと思います。
さて。
夏の暑さが落ち着くと、
冷房を止めて、
秋の風を
家へ入れたくなります。
でも窓を開けたままでは、
防犯面が気になりますよね。
次回は、
内開きと内倒し。
二つの開け方ができる窓の話。
お読みいただき、
ありがとうございました!
改正でした!