Vol.31 ヴェントサンのある家で、トイレやシューズクローゼットの臭いはどうする?
ここ2回、ニオイについて考えてきました。
換気は、空気中のニオイを外へ出す。
消臭剤は、空気中や布などに残ったニオイを抑える。
そして、ニオイの発生源が残っているなら、まず洗う、拭く、乾かす。
では、ヴェントサンを採用した家では、トイレやシューズクローゼットのニオイをどうすればよいのでしょうか。
家全体をヴェントサンで換気しているのだから、臭いが気になる部屋にもヴェントサンを付ければいい?
実は、それだけではうまくいかないです💦
■ヴェントサンJWやSPは、排気だけではない
一般的なヴェントサンは、約70秒ごとに給気と排気を繰り返します。
つまり、トイレに付けた場合、
70秒はトイレの空気を外へ出す。
次の70秒は、トイレの空気を廊下側に出す💦 勘弁して!
これを繰り返します。
排気しているときは、ニオイを外へ出せます。
シューズクローゼットでも同じです。
せっかく外へ出したいニオイを、給気する時間には家の中へ押し出してしまう。
そのため、ニオイの発生しやすい部屋では、交互給排するヴェントサンを付ければ解決、とは限りません。
■ニオイを外へ出す方法は二つ
一つ目は、個室用のヴェントサンTWINです。
TWINは、一台の中に二つのファンがあります。
片方が給気しているときに、もう片方が排気するため、給気と排気を同時に行えます。
別の部屋にあるヴェントサンとペアを組まなくても、トイレや脱衣室の中で換気を完結できるわけです。
廊下を換気経路として使わないため、ニオイや湿気を他の部屋へ流しにくくできます。
ただし、排気専用ファンとは風量や使い方が違います。
TWINについては、少し長くなるので次回詳しく解説しますね。
二つ目は、PAXノルテなどの排気専用ファンを使う方法です。
この場合の空気の流れは、
リビングや寝室→廊下→トイレやシューズクローゼット→屋外
比較的ニオイの少ない部屋から空気を入れ、ニオイが発生する部屋から外へ出す。
臭い部屋を、空気の「出口」にするわけです。
ドイツのinVENTer社の計画資料でも、浴室やトイレなどは、熱交換換気に排気専用ファンを
組み合わせる方法が紹介されています。
■出口があっても、入口がなければ流れない
例えば、PAXノルテは通常の弱運転で毎時36㎥、人感・照明センサーが反応すると毎時74㎥を排気します。
毎時74㎥を外へ出すなら、同じ量の空気がトイレへ入らなければなりません。
そのため、ドアの下に十分なアンダーカットを設けるか、通気ガラリなどで空気の入口を確保します。
強運転では、小さなアンダーカットだけでは足りないこともあります。
換気扇の大きさだけでなく、空気の通り道までセットで考えてくださいね。
■トイレとシューズクローゼットは少し違う
トイレのニオイは、使用したときに一時的に強く発生します。
そのため、人感や照明に反応して一気に出す方法が合っています。
使用後もしばらく排気を続ければ、空気中へ出たニオイを外へ運べます。
一方、シューズクローゼットは、濡れた靴や汗、汚れからニオイが出続けることがあります。
この場合は、換気だけに頼ってもニオイが戻ります。
前回のコラムの内容ですね!
発生源を処理したうえで、弱くてもいいので空気を動かし続けましょう。
なお、PAXノルテには湿度、人感、照明などのセンサーがありますが、ニオイを測るセンサーはありません。
シューズクローゼットでは、換気だけでなく、乾燥や掃除との組み合わせが必要です。
■ヴェントサンと排気ファン、両方動かして大丈夫?
短時間、トイレの排気を強くする程度なら、ヴェントサン側から入る空気を利用してニオイを外へ出せます。
ただし、排気ファンを24時間動かす場合は、その風量も家全体の換気計画に含めなければなりません。
ヴェントサンだけで必要換気量を確保したうえに、排気ファンを後から追加すると、
想定より換気量が増え、家が負圧になる可能性があります。
外へ捨てる暖房や冷房の熱も増えます。
「ヴェントサンはヴェントサン」
「トイレの換気扇はトイレの換気扇」
と別々に考えるのではなく、家全体で、
どれだけ入れて、どれだけ出すのか。
そのバランスを見る必要があります。
■ティッシュで、空気の向きを見てみよう
自宅のトイレやシューズクローゼットでも、空気の向きは簡単に確認できます。
排気ファンを回し、ドアをほぼ閉めた状態で、細く切ったティッシュをドアの隙間へ近づけてみます。
ティッシュがトイレやシューズクローゼット側へなびけば、空気はニオイのある部屋へ向かっています。
反対に廊下側へなびくなら、ニオイが家の中へ出る流れになっている可能性があります。
ティッシュなので正確な風量までは分かりませんが、空気の向きを見る目安にはなります。
空気はどこから入り、どの部屋を通り、どこから出るのか。
ニオイの発生源を処理し、臭い部屋を空気の出口にすること。
ヴェントサンと排気ファンの役割を分け、空気が流れる道をつくること。
トイレやシューズクローゼットのニオイが気になる方は、まずドアの隙間でティッシュを揺らしてみてください。
換気扇が回っていても、空気の向きが違っているかもしれません。
お読みいただきありがとうございました。
改正でした!