Vol.46 24時間換気、外国ではどうしてる?②

前回は、

中国、韓国、
シンガポールの換気を
調べました。

今回は、

フランス、イングランド、
ドイツ、アメリカ。

日本との違いを
簡単にまとめました。

国・地域 主な目的 主な手段 24時間換気 日本との差
日本 シックハウス対策 機械換気 原則必要
フランス 空気質・湿気対策 給気口から水回りへ流す 継続的に必要 空気の経路を規定
イングランド 空気質・湿気対策 全体換気+局所換気+窓開け 機械の常時運転は方式による 目的別に規定
ドイツ 湿気・カビ対策 4段階の換気量を規定 湿気対策のための換気は絶対 一律0.5回ではない
アメリカ 室内空気質 全体換気+局所換気 連続または間欠 州ごとに異なる

■フランスは、経路を決める

フランスでは、

住宅全体を継続的に
換気できることが必要です。

外気は、

居間や寝室などに入れ、
台所、浴室、トイレから
排出します。

機械換気だけでなく、
自然換気も認められます。

ここでいう自然換気は、
単なる窓開けではありません。

給気口と排気ダクトを設け、
風や室内外の温度差で
空気を動かす方法です。

暖炉そのものではありませんが、
煙突と同じような温度差を
利用することもあります。

日本の第三種換気と
空気の流れは似ています。

違うのは、

日本が家全体で
毎時0.5回と決めるのに対し、

フランスは部屋数に応じて、
台所や浴室などの排気量を
細かく決めることです。

日本は家全体の量。
フランスは経路と排気量。

という違いですね。

フランス・住宅換気に関する1982年省令

■イングランドは、目的を分ける

イングランドでは、
住宅換気を三つに分けます。

①日常的に行う
住宅全体の換気。

②調理や入浴時に行う
台所や浴室の局所換気。

③窓を大きく開ける
短時間の急速換気です。

でも、

日本にも24時間換気、
台所や浴室の換気扇、

窓開け換気があります。

設備そのものに
大きな違いがあるわけでは
ありません。

違うのは、

三つの目的を分けて、
それぞれ必要な性能を
示していることです。

また、

住宅全体の換気は
必ずしも機械の常時運転とは
限りません。

給気口と局所換気扇を
組み合わせる方法もあります。

日本は一律0.5回の機械換気。
イングランドは目的別に規定。

という違いです。

イングランド・Approved Document F

■ドイツは、住宅ごとに考える

ドイツでは、新築や大きな改修の際に
「換気計画」をつくります。

必要な換気は、
四段階に分かれます。

①留守中でも建物を守る
湿気保護の換気。

②人が少ないときの
低減換気。

③通常生活に必要な
標準換気。

④調理や入浴などで
汚れや湿気が増えたときの
強い換気。

考えているのは
湿気やカビだけではありません。

通常生活で発生する
二酸化炭素や臭いなども含め、

衛生や健康に必要な
換気量まで計画します。

そのうち、

最低限の湿気保護換気は、
住む人が窓を開けなくても、

留守中や就寝中にも
確保できなければなりません。

そのうえで、

建物の自然な空気の出入りや
外気口、機械換気などで、

四段階の換気量を
どう確保するか決めます。

日本は原則0.5回で考える。
ドイツは生活状態に合わせた
四段階で計算する。

という違いです。

ドイツ・DIN 1946-6に関する解説

■アメリカ。間欠運転もある

アメリカでは、

住宅全体の換気と、
台所や浴室の局所換気を
組み合わせます。

必要量は、

住宅の床面積と
寝室数などから計算します。

ここで興味深いのは、
必ずしも24時間連続で
動かさなくてもよいことです。

停止時間を設ける場合は、

その分だけ運転中の風量を増やし、
決められた時間内に
必要な換気を行います。

つまり、

少ない風量で連続運転する。
大きな風量で間欠運転する。

どちらも選べます。

ただしアメリカは、
全国一律ではありません。

ASHRAEの技術基準を
州や地域が採用することで、

建築基準として使われます。

日本との違いは、

0.5回で24時間連続という
一つの方法に固定せず、

必要量と運転時間を
組み合わせて考える点です。

ASHRAE・住宅換気基準62.2

米国エネルギー省・連続運転と間欠運転

■同じなのは、換気を続けること

比べてみると、

どの国も換気を
考えていました。

違うのは、

何から守るのか。

必要量をどう決めるのか。

機械で24時間動かすのか、
自然換気を使うのか。

間欠運転を認めるのかです。

特にアメリカでは、

必要量を確保できれば
連続運転だけが答えではない。

という考え方がありました。

センサーや自動制御がさらに進めば、

日本の24時間換気も、

必要なときに、
必要な場所を、

必要な量だけ換気する仕組みへ
変わるかもしれません。

お読みいただき、
ありがとうございました!

改正でした!