Vol.44 24時間換気!24時間動かす必要ある?
日本の住宅には、
24時間換気があります。
名前のとおり、
一日中動かす換気です。
でも、本当に24時間
動かす必要があるのでしょうか。
人がいない昼間も?
窓を開ける日も?
帰宅する前に、
まとめて換気するのではダメ?
今回はあえて、
24時間換気を止めて
考えてみます。
■国は「止めないで」と言っている
国土交通省の資料には、
24時間換気システムの
スイッチは切らずに、
常に運転するようにする。
とはっきり書かれています。
日本で、24時間換気設備の設置が
原則義務になった理由は、
人が吐くCO₂でも、
結露やカビでもありません。
シックハウス対策です。
建材などから出る
ホルムアルデヒドによって起きる
シックハウス症候群を防ぐためでした。
国の資料には、
ホルムアルデヒドを
発散する建材を使わなくても、
家具から発散するため、
換気設備が必要だとあります。
そのため住宅では原則、
1時間に室内空気の半分を
換気できる設備が必要です。
■なぜ連続運転なの?
建材や家具から出る化学物質は、
人がいるときだけ
発生するわけではありません。
昼も夜も、少しずつ発散します。
そのため国は、
住宅全体を機械換気し、
連続して薄める。
という分かりやすい方法を
基本にしました。
では、ここで一つ疑問です。
12時間動かして、
12時間止めるのではダメ?
■合計が同じならいいのでは?
例えば、
0.5回/hで24時間なら、
一日合計は12回分。
1回/hで12時間でも、
一日合計は12回分です。
動かした空気の量は
同じですよね。
では、なぜ1回/hで
12時間ではダメなのでしょう。
理由は、
換気を止めている間に、
化学物質がたまるからです。
0.5回/hの連続換気なら、
発生したものを
少しずつ外へ出せます。
1回/hで12時間なら、
換気中はよく薄まります。
でも残りの12時間は、
濃度が上がっていきます。
一日の換気量が同じでも、
途中の濃度は同じではない。
お風呂へ水が
入り続けているときに、
排水口を少しずつ
開けておくのか。
栓をしたままためて、
後で一気に抜くのか。
そんな違いです。
■でも、留守ならいいのでは?
人がいない昼間なら、
濃度が上がっても、
誰も吸いません。
帰宅する前に、
大きな風量で全部換気すれば
いいのではないでしょうか。
帰宅時間が分かり、
帰宅前に十分換気できれば、
技術的には成立します。
1時間動かして、
1時間止める方法も、
止めた時間に合わせて湿気や色々な物質の
発生量に合わせて風量を増やしていれば、
いいのかもしれませんよ。
■一回では全部入れ替わらない
ただし、
「全部換気する」
のは、意外と簡単ではありません。
新しい空気が、
古い空気をところてん式に
押し出すわけではないからです。
新旧の空気は、
室内で混ざります。
理想的に混ざると仮定しても、
換気前の空気は約13.5%残ります。
さらに換気中にも、
建材や家具からの発散は
続いています。
閉めた個室や収納など、
空気が届きにくい場所も
あるかもしれません。
だから、帰宅前換気で
成立させるなら、
何時に動かすのか。
どのくらいの風量で、
何時間動かすのか。
各部屋まで空気が
届いているか。
そこまで考える必要があります。
■国が連続運転を選んだ理由
では、なぜ国は、
連続運転を基本にしたのか。
化学物質の発生量は、
家によって違います。
住む人数も、
帰宅する時間も違います。
どんな住宅でも、
誰が住んでも、
いつ帰宅しても、
一定の換気を確保しやすい。
その単純で安全側の方法が、
少ない風量で動かし続ける
24時間換気。
それを基本にしたんだと思います。
■24時間換気の未来
でも、これから住宅の
自動化が進んだら、
24時間換気の形も
変わるかもしれません。
家の中に何人いるか。
どの部屋にいるか。
CO₂やVOCは多いか。
室内外の温度と湿度。
外のPM2.5や花粉。
家族が何時に帰ってくるか。
住宅がそこまで判断できれば、
ずっと同じ量を換気する
必要はなくなるかもしれません。
留守中は風量を下げる。
帰宅前に家全体を換気する。
寝室へ移動したら、
寝室の風量を増やす。
入浴後は、
浴室の排気を強くする。
外の空気が汚れていれば、
フィルターや換気量を調整する。
必要な場所へ。
必要なときに。
必要な量だけ。
その方が、
室内環境を保ちながら、
冷暖房の熱や電気を
無駄にしにくくなります。
ただしセンサーや通信が故障する
可能性もあります。
だから完全に止めるより、
最低限の換気を残しながら
自動で増減させる。
そんな形が現実的だと思います。
未来の24時間換気は、
24時間ずっと
同じ風量で回す設備。
ではなく、
24時間、家の空気を見守り、
必要なときに働く設備。
になっていくのかもしれません。
では海外でも、
日本と同じように、
0.5回/hの24時間連続換気を
求めているのでしょうか。
調べてみると、
国によって換気の目的も、
必要量の決め方も違いました。
次回は、
諸外国の住宅換気ルールを
比べてみたいと思います。
お読みいただき、
ありがとうございました!
改正でした!