Vol.43 床下エアコンって、どうやって家を暖める?
今日まで床下シリーズ。
最後は床下エアコンの話です。
エアコンの温風を
床下へ吹き込み、
家を暖める仕組みです。
その熱はどうやって室内へ
入ってくるのでしょうか。
床のガラリからエアコンの暖気が出てきて
部屋を暖めていると思っていました。
それに床下が暖かいから漠然と、床暖みたいになっていいよね。
と思ってました。
最近、実際に熱の行き先を調べた研究を教えてもらって
読んだら、そんな簡単なもんじゃなかったし、
そりゃそうか、という話があったので紹介します。
■床下の熱を測ってみた
昨日もご紹介した、信州大学の中谷岳史先生らが、
長野県佐久市に建つ住宅で(もちろん基礎断熱)
床下エアコンの熱がどう移動するのかの
実測をされた論文を拝見しました。
対象は延床約132㎡、UA値0.29の住宅です。
床下にはエアコンと、床下の暖気を室内へ送る
複数のファンがあります。
■ガラリより、床から?
ある一日、エアコンから出てきた熱は
296.8MJでした。
その熱の行き先は、
ファンから室内へ
34.8MJ、約12%。
1階の床を通って室内へ
84.5MJ、約29%。
ガラリから暖気として運ばれた熱より、
床そのものを通って室内へ伝わった熱の方が
室内へ伝わった熱の方が2倍以上も多かったのです。
■床全体が暖房面になる
床下エアコンの場合、1階床には、
床断熱がありませんし、床下の暖気が
直接床の裏側を暖めます。
さらに暖められた基礎底盤からも、
床の裏へ放射で熱が伝わります。
その熱が床表面へ伝わります。
床表面の実測温度は、
リビング23.1~25.5℃。
浴室 22.1~25.0℃。
足元はほかほかあったかくなるから納得。
■どこでも同じ温度?
ただし、床下全体が
同じ温度になったわけでは
ありません。
床下で最も低かった地点は
22.5℃でした。
その場所は、
エアコンから遠くて給気口に近い。
設備配管が多い。
という条件が重なっていました。
配管が少ない側では、
温風がよく広がっています。
床下エアコンも換気と同じ。
どれだけ大きな
エアコンを付けるかより、
空気がどこを通るのかの経路が
大切なんですね。
■熱は地面にも逃げる
あと、さっき12%と29%って少ない!
と思った方も多かったのでは?
実は基礎底盤へ59.5MJ、約20%。
基礎立上りへ 13.7MJ、約5%。
残り約35%は、換気設備やその他の未測定分💦
(つまり不明とのこと)
床を暖めるための熱が、
地球も暖めてました。ってことです。
まぁ、壁掛けエアコンでも、暖めた熱は、
建物の熱橋などから外へ逃げますからね。
■断熱材を敷けば安心?
論文では、基礎底盤の断熱範囲も
解析しています。
断熱材を追加しても、基礎コンクリートが
断熱材を迂回する熱の道になると、
思ったほど熱損失が減らないそうです。
断熱材の厚さだけでなく、熱が回り込む場所を
残さないことが大切。
断熱ラインを一本でで引く事!
ズレちゃだめだ!ズレちゃだめだ! …はい。
■空気と熱の通り道
床下浸水の乾燥でも、
床下エアコンでも、
大切だったのは、
どこから入り、
どう、どこを通り、
どこへ出るのか。
床下は深いぜ!(笑)
こちらの論文は、空調講座にて
凰建設の森こうすけさんに教えていただきました。
これで床下編は、いったん終了です。
お読みいただきありがとうございました!
改正でした!