Vol.39 不思議だね、床下。
家の床下を、
のぞき見たことがありますか?
特に、賃貸に住んでいたらまず見ることが
無いですよね~。
私も見たことがありませんでした。
普段は人が入らない。
部屋としても使えない。
それなのに、
材料を使って床を持ち上げ、
わざわざ空間をつくる。
もちろん、その分の
建築費もかかります。
よく考えると、
床下って不思議ですよね(笑)
■床下はどういう空間?
床を地面から離すために、
わざわざ作られた空間です。
地面には水分があります。
雨が降っていなくても、
地面から水蒸気が上がって、
床下の湿度が高くなることが
あります。
木材が湿った状態になると、
腐朽菌やシロアリの被害を
受けやすくなります。
そこで木の床を持ち上げ、
地面から離す。
これが日本の木造住宅に
床下がある大きな理由の
一つです。
■昔の床下は開いていた
昔ながらの木造住宅には、
石場建てと呼ばれる
つくりがありました。
石の上に柱を載せ、
床下の周囲を基礎で
ぐるりと塞がないつくりです。
今は昔ながらの旧家か、お寺とか
で見るくらいでしょうか。
床下が外へ開いているので、
自然に風が通ります。
地面から上がった湿気を、
床下にため込まず、
風に乗せて外へ逃がしていた。
つまり昔の家は、
床下も換気していたんですね。
その後、家の周囲を
コンクリートの基礎で
囲むようになってからも、
基礎に換気口を設け、
床下へ風を通してきました。
現在は大きな換気口ではなく、
基礎と土台の間に
基礎パッキンを挟み、
その小さな隙間から
床下全体を換気する方法も
使われています。
人が暮らす部屋では、
CO₂やニオイを外へ出す。
床下では、
地面から上がる湿気を
外へ出す。
出したいものは違っても、
考え方は同じです。
空気を入れ替えて、
ため込まない。
日本の木造住宅は、
床下も換気してきたんですね。
■法律にも床下換気がある
建築基準法施行令では、
最下階の居室の床が木造なら、
床の上面を地面から
45cm以上離すこと。
床下に換気口を
設けること。
これらが原則として
定められています。
ただし、床下を
コンクリートなどで覆い、
湿気を防げる場合は例外です。
すべての住宅に、
必ず45cmの床下が必要、
という意味ではありません。
■点検できるのも床下のおかげ
床を持ち上げたことで、
もう一つ便利なことが
できるようになりました。
給水管や排水管などを、
床下へ通せることです。
水漏れしていないか。
配管が傷んでいないか。
木材に腐食や
シロアリ被害がないか。
点検口から床下へ入れば、
後から確認や修理ができます。
床下は湿気対策のために
つくられた空間であり、
家を点検、修理するための
空間でもあるんですね。
■床下がない建物もある
すべての建物に、
床下があるわけではありません。
店舗や倉庫などでは、
地面の上につくった
コンクリートへ直接、
床を仕上げることもあります。
住宅でも、地面からの
湿気や熱を別の方法で
処理できるなら、
必ずしも床下空間を
つくる必要はありません。
床下は、家に絶対必要な
空間というわけではなく、
木の床を地面から離し、
湿気を逃がすために
選ばれてきた方法なんですね。
■普段見えないのが弱点
床下には、
木の家を湿気から守り、
点検や修理をしやすくする
大切な役割があります。
ただし、床下は
普段ほとんど見えません。
だから大雨や洪水で
水や泥が入っても、
気づくのが遅れることが
あります。
家の中は乾いているのに、
床下には水が残っている。
そんなことも起こります。
まずは自宅のどこに
床下点検口があるのか、
探してみてください。
キッチンの床下収納。
洗面脱衣室。
無理に床下へ入る必要は
ありません。
どこから点検できるのかを
知っておくだけでも十分です。
床下は、木の床を地面から離し、
湿気を換気で外へ逃がす。
そして、家を後から
点検するための空間でした。
では海外の家にも、
床下はあるのでしょうか。
次回も床下の続きです。
お読みいただき、
ありがとうございました!
改正でした!