Vol.41 床断熱と基礎断熱はどう違う?
ここ2回は、
床下について考えてきました。
日本の木造住宅は、
木の床を地面から離し、
床下を換気することで
湿気を逃がしてきました。
では、最近よく聞く
「基礎断熱」の家はどうなってる?
床断熱の床下は屋外です。
基礎断熱の床下は室内側です!
同じ床下なのに正反対です!
■違いは断熱材の場所
家を断熱するというのは、
室内と屋外の境目に、
熱を通しにくい線を
引くようなものです。
だからその線がずれたりすると、
そこが熱橋(熱が伝わるところ)になって
外の温度が伝わってきやすくなります。
床断熱では、1階の床のすぐ下に
断熱材を入れます。
断熱の線は、
床のところを通ります。
そのため、床下は
断熱された家の外側です。
一方、基礎断熱では、
コンクリート基礎の
内側や外側へ断熱材を施工します。
断熱の線は床ではなく、
基礎に沿って地面まで下ります。
そのため、床下も
熱的には室内側になります。
■床断熱の床下は屋外
床断熱の床下には、
外の空気を通します。
基礎に設けた換気口や、
基礎と土台の間にある
基礎パッキンの隙間から、
外気を取り入れます。
前回までにお話しした、
昔ながらの床下換気に
近い考え方ですね。
地面から上がる湿気を、
外気で薄めて外へ逃がす。
その代わり、
冬の冷たい空気も
床下へ入ってきます。
だから床の断熱材に
隙間(熱橋)があると、
床が冷たくなったり、
壁の中へ冷気が入り込んだり
することがあります。
床断熱では、
断熱材を入れるだけでなく、
床と壁の境目や、
配管まわりの隙間を塞ぐことも
大切なんですね。
■換気すれば必ず乾く?
ここにも注意があります。
夏の外気は、
たくさんの水蒸気を
含んでいます。
その空気が、
地面に近く温度の低い
床下へ入ると、
換気しているのに
結露することがあります。
冷たいペットボトルに
水滴が付くのと同じです。
外気を入れれば、
必ず乾くわけではありません。
特に夏の高温多湿な時期は、
換気によって湿気を
持ち込むこともあるんですね。
常に風が流れてくれるよう、
換気口や基礎パッキンなどが大切です。
■基礎断熱は外気を入れない
基礎断熱では、
床下換気口を設けません。
基礎と土台の間も、
通気する材料ではなく、
隙間を塞ぐ
気密パッキンを使います。
床下を家の内側として
扱っているのに、
外気をどんどん入れたら
断熱になりませんから(笑)
床下の温度が
室内に近くなるので、
冬でも床や配管が
冷えにくくなります。
床下へ暖房や冷房の空気を
送る方法とも相性があります。
ただし、
「密閉すれば完成」
ではありません。
■新しいコンクリートは湿っている
新築直後の基礎や
床下のコンクリートには、
施工時に使った水分が
たくさん残っています。
その水分は、
完成後も少しずつ
床下へ放出されます。
床下換気口のない基礎断熱では、
その湿気をどう逃がすかを
考えなければなりません。
国土交通省の資料でも、
基礎断熱は竣工直後の
床下湿気対策が重要とされ、
一定期間換気して
コンクリートを乾燥させる方法も
紹介されています。
床下と室内の間で
空気を動かすのか。
換気するのか。
除湿するのか。
空調に利用するのか。
基礎断熱では、
床下の空気をどう管理するかまで
考える必要があります。
■シロアリにも注意
もう一つの注意点が、
シロアリです。
コンクリートの基礎なら
シロアリは入れない。
そう思いたくなりますが、
小さなひび割れや打継ぎ部、
配管まわりの隙間から
侵入することがあります。
基礎断熱では、
防蟻材を使うだけでなく、
侵入経路を塞ぎ、
後から点検できる納まりも
大切です。
■結局、どっちがいい?
床断熱と基礎断熱に、
どちらが絶対に優れている
という答えはありません。
私は個人的には、床断熱が好きです。
断熱で包む体積を小さくできて、
床下は浸水対策として開けておきたいからです。
床断熱は、
床下を外気で換気する。
そのためには、
床面の断熱・気密と
床下の通風が重要です。
基礎断熱は、
床下を室内側として閉じる。
そのためには、
防湿、気密、空気の管理が重要です。
自宅の図面や仕様書で、
「床断熱」
「基礎断熱」
のどちらになっているか、
確認してみてください。
外から見て換気口がなくても、
基礎パッキンの隙間から
換気する床断熱もあります。
外観だけで判断せず、
分からなければ工務店へ
聞いてみましょう。
そして大雨で
床下へ水が入ったときも、
床断熱と基礎断熱では
濡れる場所や乾かし方が
少し変わります。
次回は、
「床下浸水について」
お読みいただき、ありがとうございました!
改正でした!