Vol.22 日本では当たり前のエアコン。ヨーロッパでは室外機が緑⁉
お盆が終わってもまだまだ暑い。
こんな時期なので、今回は夏らしい話を。
日本の夏に欠かせないもの。
エアコン。
エアコン無しで夏を乗り切るなんて考えられません。
ところがドイツの住宅を見ると、エアコンが付いていない家が結構あります。
今回は、日本では当たり前になっているエアコンを、ドイツ側から見てみたいと思います。
そもそも、ドイツではエアコンがあまり必要なかった
一番大きいのは、やっぱり気候です。
これまでのドイツでは、日本より全然住宅の冷房が必要な期間が短かったです。
だから住宅を建てるときも、各部屋にエアコンを付けるのが、
日本ほど当たり前ではなかったんですね。
日本で賃貸住宅探してて、この家はエアコン用の穴は1個もありませんと言われたら、
え、それはやばい!ここはやめとこ!ってなりますよね(笑)
でも、もともと冷房を前提としていない住宅がたくさんある国なら、
それほど不思議な話ではありません。
でも、世界的な気候変動で。。
ところが、その状況が変わり始めています。
2026年のヨーロッパでは熱波が相次ぎ、エアコン需要が急増しています。
この8月にもヨーロッパでは厳しい熱波が続き、冷房による電力需要の増加が問題とまで報じられています。
ニュースで見た方もいらっしゃるかもしれません。エアコン無いのに外は40℃みたいな恐ろしい環境。
今年5月の時点でドイツでは、オンラインでのエアコン販売が前年同月比で37%増加らしい。
フランスやスペイン、イギリスなどでも需要が伸びているみたいです。
そして今年、ちょっと面白いエアコンが売れている
その中で人気になっている製品の一つが、中国Mideaの「PortaSplit」というエアコンです。
今年、ヨーロッパの一部市場では売り切れになり、中古品まで高値で取引されていると報じられています。
名前の通り、Portable+Split(ポータブル+スプリット)
持ち運べるスプリットエアコンです。
室内機があって、室外機もある。
仕組みだけを見ると、普通のエアコンなんです。
でも大きく違うのが、壁に穴を開けなくても設置できること。
PortaSplitは専門の施工業者や穴あけ工事なし、普通の窓やドレーキップ窓、天窓などにも
取り付けられるようになっています。
ほぇぇ。エアコンの穴が無くて賃貸の場合の救世主的や。
室内機と室外機はつながっていますが、室外機を窓の外側に設置して使える。
夏が終われば取り外すこともできます。
賃貸だったら穴なんてあけられないし、
日本の木造住宅と違って、ブロック造や石造りが多いから穴あけも大変。
古いヨーロッパの建物の外壁にいきなり室外機バンバン着いたら、せっかくの景観が。。。
ってのもありますし固定式エアコンの設置は、費用も手間もかかることが指摘されています。
そういえば、ヨーロッパで景観に配慮した緑色の室外機も見たことがあります。
植栽に紛れるんですよ。
あれ?室外機?って二度見しました。
日本のエアコンの室外機って、ほとんど白やアイボリーですよね。
僕も「日射を反射して効率を良くするためかな?」と思っていたのですが、
調べてみると、それだけが理由とも言えなさそうです。
「汚れが目立ちにくいからアイボリー」と説明していたりします。
そして日本の家電といえば「白物家電」ですよね。
一方ヨーロッパでは、室外機にもデザインや景観との調和を求める。
同じエアコンでも、文化が違えば求められるものが変わるんですね~。
それと、まずエアコン!ではないんです。
ドイツ環境庁が住宅の暑さ対策として強く勧めているのは、
いきなり、「エアコンを付けましょう!」ではありません。
まず、家の中に熱を入れない。
そして、外が涼しくなったら、建物に溜まった熱を逃がす。
という考え方です。
特に効果が高いものとして、外付けの日射遮蔽や夜間換気などを挙げています。
暑くなった部屋をどう冷やすかだけじゃなく、
そもそも、どうしたら暑くならないかを考えるんですね。
もちろん、これは日本とは気候が違うからです。
日本は夜になっても暑い。しかも湿気が多い。
以前のコラムでも書きましたが、外の空気の方が湿気をたくさん持っているときに
換気すれば、むしろ室内へ湿気を入れることもあります。
だから日本では、冷房だけではなく、除湿まで含めてエアコンに頼る場面が多い。
これが日本の気候に合った使い方です。
僕が海外の住宅を見ていて面白いと思うのは、
ドイツにはドイツの気候がある。
住宅の歴史も違う。暮らし方も違う。
日本には日本の蒸し暑い夏がある。
だから、住宅のつくり方も設備の使い方も違って当然です。
ただ、日本でも「冷やす前に、まず熱を入れない」方がいいでしょ?
エアコンの設定温度を1℃下げる前に、
その夏の日差し、家に入れる前に止めましょ?
ということですね。
じゃあ、どうやって日射を入れないのか。
ドイツの住宅の写真を見るとよくあるのが、外側にブラインドで遮蔽。
エアコンの穴は無いけど、外にブラインドは付いてる。
これが気候、文化の違いですね~。
ということで次回は、
網戸から外付けブラインドまで。夏の日射遮蔽、どれくらい効く?
にしてみます。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!
改正でした。