ちゃんと換気していれば、カビは生えない?

ドイツinVENTer社に学ぶ、住まいと換気の基礎知識 Vol.4

前回は、

「なんで換気が必要なの?」

について紹介しました。

その中で、住宅にとって特に問題になりやすいものとして、

「湿気」

の話をしました。

湿気と聞くと、嫌なのが「結露」と「カビ」ですよね。

では、

「ちゃんと換気していれば、カビは生えないの?」

今回はそんな話です。

先に答えを言ってしまうと、

残念ながら、

「換気していれば絶対にカビが生えない!」

とは言えません。

換気はとても大事。

でも、カビはもう少し複雑です。

カビが生えやすくなる条件の一つが、

「湿度が高いこと」。

これは皆さんイメージしやすいと思います。

お風呂場とか、梅雨時の押入れとか。

ジメジメしているところにカビが生える。

なので、

「じゃあ室内の湿度を下げよう!」

となります。

でも、ここで一つ大事なポイントがあります。

私たちが普段見ている温湿度計は、

「部屋の真ん中らへんの湿度(表示が見やすいから)」

です。

でも、窓の近くや、断熱性能の低い壁の隅、家具の裏側などは、

部屋の真ん中より表面温度が低くなっていることがあります。

空気は、冷えると同じ水分量でも相対湿度が上がります。

つまり、

部屋の真ん中より、冷えた壁の表面付近では、
湿度がかなり高くなっている。

さらに冷えると空気の中にいられなくなった水分が
水滴になります。

これがご存じの窓がびしょびしょになる結露です。

そして、

「水分がある」
「温度条件が合う」
「栄養になるものがある」
「その状態が続く」

となると、

カビにとっては快適な環境になってしまいます。

(人間には不快、カビには快適……)

inVENTer社でも、
換気によって余分な湿気を排出することを
カビ対策の重要なポイントとして紹介しています。

ただし、同時に、
冬に室内の暖かい空気が冷えた表面に触れると、
結露しやすくなることも説明されています。

つまり、

カビ対策は、

「換気」

だけではなく、

「湿度」と「表面温度」

を一緒に考える必要があります。

ここで2つのポイント。

①いくら換気していても、
壁や隅っこの一部分だけ断熱性能が低くてものすごく冷えていたら。
それをヒートブリッジ(熱橋)といいます。

その場所では、カビが生えやすくなるかも。

②断熱性能が高くて熱橋がなくても、

室内干しを大量にしたり、加湿器をガンガン使ったりして、
室内の湿度そのものが高すぎるとカビのリスクは高くなります。

これは住み方ですね。

なので、カビ対策で大切なのは、

・余分な湿気は室外に出す → 換気
・壁や窓を冷えにくくする → 断熱と気密(+日射取得や暖房)

「余分な湿気を外へ出す」役目を担っているのが換気です。

そして、ここでも熱交換換気が役に立ちます。

熱交換換気なら、

必要な空気は入れ替えながら、室内でつくった快適な温度を
できるだけ残すことができます。

湿気も交換できるシステムなら、冬に湿気を捨てすぎることなく
できるだけ室内の乾燥も防ぐことが可能です。

湿気は多すぎても困る。

少なすぎても困る。

……湿度って面倒です。

しかも室温によって変化するのがもっとややこしい(笑)

では、

「どのくらいの湿度がちょうどいいのか?」

この話はまた、
湿度についての回で詳しく紹介したいと思います。

カビ対策は、断熱して、余分な湿気は換気で外へ出す。

住宅全体で考えることが大切ですね。

次回は、

「外の空気が汚れている日も換気するの?」

について紹介します。

花粉、黄砂、PM2.5。

「そんな日に外の空気を入れて大丈夫?」

という話ですね。

お読みいただき、ありがとうございました!

改正でした。

※本記事は、ドイツinVENTer社の技術情報を参考に、日本の住宅事情に合わせて編集・解説しています。