熱交換換気は湿度もリサイクルできる?

ドイツinVENTer社に学ぶ、住まいと換気の基礎知識 Vol.7

今回は「湿度」についての話です。

漢字で温度(おんど)と湿度(しつど)が似すぎてて読みにくいです。

注意してくださいね!

でははじめます!

前回、

「この暑い夏に湿度のリサイクルって、なんかやばそう(笑)」

と書きました。

だって夏ですよ。

外は暑い!

そして、

めっちゃジメジメ!

せっかくエアコンで涼しくして、
除湿までしているのに、

換気設備が

「湿度もリサイクルします!」

って……

いやいや!

湿気はリサイクルせんでいい!

そのまますぐ捨てて!(笑)

と思いますよね。

でも大丈夫です。

夏に、外のジメジメした湿気を
わざわざ室内へウェルカムするわけではありません。

外は高温多湿。
室内はエアコンで冷房・除湿されている時、

湿度交換ができるタイプでは、外から入ってくる湿気の一部を熱交換素子がいったん受け取ります。
ヴェントサンのような交互給排気型なら、その水分の一部は熱交換素子にいったん預けられ、
次に排気へ切り替わったときに外へ戻されます。

つまり、外の湿気がそのまま全部室内へ入ってくるのを抑えているんです。

夏は「湿気を室内にリサイクルする」のではなく、外から入ってくる湿気を減らす。

おお!
湿度のリサイクル、夏こそええやん!

じゃあ、

湿度交換ができる換気設備があれば、
除湿機もエアコンの除湿もいらない?

……とはなりません(涙)

ここ、すごく大事です。

湿度交換は、除湿ではありません。

室内にある水分を、
エアコンのように積極的に取り除いているわけではありません。

換気によって外から入ってくるはずだった湿気を、
入りにくくしている。

つまり、

除湿するのではなく、

除湿の負担を減らしている

ということです。

これ、温度とまったく同じなんですよね。

熱交換換気があれば、

「夏でもエアコンいりません!」

とはなりません。

熱交換換気は冷房ではありません。

外の暑い空気がそのまま室内へ入ってくるより、
少し冷ましてから入れることで、

エアコンの負担を減らします。

温度は、

冷房するのではなく、冷房を助ける。

湿度は、

除湿するのではなく、除湿を助ける。

そんな関係です。

では冬は?

冬は逆です。

外は冷たくて乾燥。

室内は暖房されていて、
人の呼吸や料理、お風呂などで水分も発生しています。

普通に換気すると、

室内の湿気を外へ捨てて、乾いた外気を入れる。

また湿気を捨てて、また乾いた外気を入れる。

なので、換気する=気づくと空気がカラカラになっちゃうかも。

湿度交換ができる換気設備なら、

今度は室内から捨てる空気が持っている湿気の一部を回収して、

外から入ってくる乾いた空気へ渡すことができます。

つまり冬は、

室内の湿気を捨てすぎない

方向に働きます。

おお!

じゃあ今度は加湿器いらない!

……これも違います(泣)

湿度交換は、加湿でもありません。

水を新しく作っているわけではありません。

本来なら換気で外へ捨ててしまう湿気の一部を、
リサイクルしているだけです。

だから冬は、

加湿するのではなく、

加湿の負担を減らす。

夏は、

外から入ってくる湿気を減らす。

冬は、

室内から出ていく湿気を減らす。

同じ「湿度のリサイクル」でも、

季節によって水分が移動する方向が逆なんですね。

これ、温度でも同じでした。

冬は室内の暖かさを外へ逃がしにくくする。

夏は外の暑さを室内へ入れにくくする。

熱交換器は、

冬だから暖めよう!

夏だから冷やそう!

と考えているわけではありません。

温度や湿度の差があるところで、
その差を小さくするように働いているだけです。

だから僕は、

熱交換換気を

「暖房や冷房をする設備」

ではなく、

せっかく作った快適な室内環境を、換気によって捨てすぎないための設備

と考えると分かりやすいと思っています。

せっかくエアコンで冷やした。

せっかく除湿した。

せっかく暖房した。

せっかく加湿した。

換気は必要なので空気は入れ替える。

でも、

快適さまで全部捨てなくてもいいですよね。

モッタイナイ!からリサイクル!です。

 

ただし、

すべての熱交換換気設備が、
湿度まで交換できるわけではありません。

温度だけを交換するものもあれば、

温度と湿度の両方を交換できるものもあります。

カタログをよーく見て、

顕熱(けんねつ)交換換気と書いてあったら温度(おんど)だけ。

全熱交換換気と書いてあったら両方です。

これを覚えておいてください!

 

最後に、顕熱(けんねつ)ともうひとつは、

潜熱(せんねつ)で湿度(しつど)の熱です。

湿度の熱!?

何言ってるかわからなすぎですが、大丈夫!

漢字が難しいだけで実はそんなに難しくありません。

 

次回は、

温度のリサイクルと、湿度のリサイクル。

この2つをまとめて見る、「全熱交換効率」について紹介します。

温度80%。

湿度60%。

じゃあ、

全熱は何%?

お読みいただき、ありがとうございました!

改正でした。

※本記事は、ドイツinVENTer社の技術情報を参考に、日本の住宅事情に合わせて編集・解説しています。