CO₂、測ってみたら?
ドイツinVENTer社に学ぶ、住まいと換気の基礎知識 Vol.11
皆さん、
CO₂濃度計って持ってます?
これから家を建てる方には、
ぜひ一度使ってみてほしいです。
でも、
新しい家が建ってからじゃありません。
今からです!
今住んでいる家。
今使っている寝室。
今過ごしているリビング。
仕事部屋。
そして、
今乗っている車。
自分たちが普段、
どんな空気の中で暮らしているのか。
まず測ってみませんか?
前回は、
「日本はなぜ0.5回換気なの?」
という話をしました。
日本では、
住宅全体で0.5回/h換気できる設備を付けることになっています。
でも、
家全体で0.5回換気できていることと、
今、あなたに必要な空気が届いていること
は同じではありません。
そこで使えるのが、
CO₂濃度計です。
人間は、
呼吸するだけでCO₂を出しています。
寝てても出す。
テレビ見てても出す。
仕事してても出す。
息でも出すし、発電所でも車でもお仕事でも出しくり!(ちょっと意味違うけど)
僕ら人類、CO₂製造機!イェイ!
・・・・はい。
なので、(なにがなのでかわかりませんが)
人がいる部屋で外から入ってくる空気が少なければ、
CO₂濃度はだんだん上がっていきます。
逆に換気して、外の空気が入ってくれば下がっていく。
なのでCO₂は、
「その部屋にいる人に対して、外気がちゃんと入っているかな?」
を見る一つのヒントになります。
では、
では、何ppmくらいを目安にしたらいいのでしょう?
今回は、1500ppmを一つの目安にしてみたいと思います。
文部科学省の「学校環境衛生基準」では、換気の基準として、
CO₂濃度は1500ppm以下であることが望ましいとされています。
もちろん、
1499ppmなら健康!
1501ppmなら危険!
という数字ではありません。
住宅の法的な基準でもありません。
でも、
「この部屋、人の数に対して換気足りてるかな?」
と考える一つの目安としては、分かりやすい数字だと思います。
では、
どこを測る?
僕なら、
まず寝室です。
例えば、
お父さん。
お母さん。
子ども。
家族3人で、
川の字になって寝る。
日本では昔からある、
なんとも幸せそうな寝方ですよね。
でも……
夜、
ドアを閉めて、
3人で8時間寝る。
その寝室、
CO₂どうなってると思います?
ちょっとヤバそうじゃないですか(笑)
例えば家全体では、
計算通り0.5回換気できている。
でも、
寝室に入ってくる新鮮な空気は小さな給気口からだけ。
そこに3人。
家全体としては、
「換気量OK!」
でも、寝室だけ見たら足りてないかもしれません。
川の字って、日本らしい暮らし方です。
でも、
その暮らし方と、
今の高断熱・高気密住宅の換気計画は、
ちゃんと合っているでしょうか?
もちろん、
川の字が悪いわけではありません。
気密性能の高い家は、
昔の家みたいに、
「どこからか勝手に隙間風が入ってくる」
ことに頼らず、
必要な場所へ必要な空気を届けることができます。
だからこそ、
3人で寝るなら、3人で寝ることを考えて換気する。
暮らし方と、
換気計画を合わせることが大事なんですね。
なので、
これから家を建てる方。
新しい家の換気を考える前に、
今の寝室にCO₂濃度計を置いてみてください。
朝起きたとき、
何ppmになっているでしょう?
結構ヤバイ数字になってるかも。
でも慌てなくて大丈夫。
まずは今の自分たちの暮らしがどうなっているのか知る。
今回はそれが目的です。
だって今まで普通にその寝室で寝てたんですから(笑)
では、もう一か所、
ぜひ測ってほしい場所があります。
車です!
車のエアコンに、
「外気導入」と「内気循環」
ってありますよね。
エアコンの効きが良くなるし
トンネルや渋滞など、外の汚れた空気を入れたくないときにも役立ちます。
自動車メーカーの取扱説明書でも、内気循環はこうした場面で有効とされています。
では、人が乗った車で、
ずーーーーっと内気循環。
CO₂はどうなる?
すぐに……上がります。
だって、車の中ってめちゃくちゃ狭い。
そこで人間がずっとCO₂を出しているのに、
新しい外気をあまり入れていないんですから。
内気循環では、15分程度で3000ppmくらいまで平気で上がります。
私も実は以前、アラーム付きCO₂計を持って2人で車移動していたら、
しゃべってるからか10分で3000ppmを超えてアラーム鳴りまくり(笑)
ちょっとうるさいから窓開けますね(笑) って内気循環、全然意味無し。
もちろん、
内気循環を使うな!
という話ではありません。
暑いときやトンネル、排気ガスなど外気を入れたくないとき。
使う意味があります。
でももし、
「僕、ずっと内気循環」
という方がいたら、
CO₂濃度計を車に持ち込んでみてください。
結構びっくりするかもしれません(笑)
僕が今回言いたいのは、
家を建てる前に、
まず自分たちが普段どんな暮らしをしているのか、空気から見てみませんか?
ということです。
寝室には何人で寝てる?
ドアは閉める?
リビングには何人集まる?
在宅勤務で一日中いる部屋は?
車は内気循環になってない?
測ってみると、
「うちの寝室、めっちゃ上がるな」
「家族が集まると一気に増える!」
「車こんなことになってんの!?」
いろんなことが分かってきます。
そうしてから、
新しい家の換気を考える。
すると、
「法律で0.5回だから大丈夫!」
だけではなく、
自分たちの暮らしには、どこに、どれくらいの空気が必要なんだろう?
という考え方ができるようになると思います。
ただし、
CO₂濃度計も万能ではありません。
CO₂が低いから、
空気が全部きれい!
とは限りません。
ホルムアルデヒド。
VOC。
PM2.5。
湿度。
CO₂だけでは分からないものがいっぱいあります。
だから、
CO₂は「人と換気を見るセンサー」
くらいに考えるのが、
僕は分かりやすいと思います。
そして、
もう一つ面白いことがあります。
誰もいない寝室なら、
人から出るCO₂はほとんど増えません。
でも夜になって、
家族3人で川の字になったら、
必要な換気量は増えます。
だったら、
人がいないときは少なく換気して、
CO₂が増えたら換気量を増やす。
そんな、
必要なときに、必要なだけ換気する
という方法もあります。
これが、
CO₂によるデマンド換気
です。
ヴェントサンにも、CO₂を監視して必要に応じて換気を制御するセンサーがあります。
家の容積だけを見る。
0.5回だけを見る。
換気設備のカタログだけを見る。
それだけではなく、
そこで誰が、どう暮らすのか。
そして、
実際の空気はどうなっているのか。
そこまで見て、
換気を考えられたらいいですね。
ということで、
CO₂濃度計。
まだ持っていない方は、
一度測ってみたら?
新しい家じゃありませんよ。
まず今の暮らしから!
さて次回。
CO₂が高い!
よし!
レンジフード回したら最強や!換気量増やしたろ!
出した分の空気、どこから入ってくるのでしょう?
次回は、
「強力なレンジフードを回すと、家の中はどうなる?」
について考えてみたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました!
改正でした。
※本記事は、ドイツinVENTer社の技術情報、厚生労働省、ASHRAE、自動車の室内空気に関する研究等を参考に、日本の住宅事情に合わせて編集・解説しています。